女性が活躍できる職場を目指して その4


黄金の3割

「黄金の3割」という言葉をご存知だろうか?

これは、構成人員の30%を少数派が占めると、意思決定に影響力を持つようになるという考え方です。

ですから、男性ばかりの職種や部署、管理職が男性ばかりの企業では、女性の比率を30%に上げることを目指すべきです。

 

少数派が30%を超えると、今までのやり方が通用しなくなります。

組織は変わらざるを得なくなります。

ポジティブ・アクションでも、まずはこの30%超えを目指すことになります。

 

ただし、闇雲に30%超えを目指しても、なかなか効果は上がりません。

御社のどこが問題なのか?

女性の活躍を妨げている原因は何なのか?

どうしていびつな構造になってしまうのか?

このような要因を丁寧に調べていき、1つずつ対策を打っていくしかありません。

 

まずは、御社の人事労務管理のどの時点で男女差のいびつな構造が生まれるのか、調べていきましょう。

男女差別が生まれやすい3つの時点を示しました。

最初に調べるべきポイントです。

ぜひ御社でも、チェックしてみてください。

 

 

人事労務管理の3つの時点で、男女差別がないかチェックしてみましょう。

 

第1のチェックポイント:募集・採用時

第2のチェックポイント:配置・配転時

第3のチェックポイント:昇進・昇格時

1つずつみていくことにします。

 

募集・採用時

募集や採用の仕組みに、男女差別につながるものがないかチェック!

 

応募者の男女比率に比べて実際の採用者の女性比率が大幅に低い場合、選考時に男女差別があったと考えるべきです。

男性を優先的に採用しようとする「見えない力」が作用している可能性があります。

それが、慣習によるものなのか、性別役割分担意識によるものなのか、あるいは女性蔑視からくるものなのか、その理由はそれぞれの会社によって違うと思いますが、そこに何らかの問題があることは間違いありません。

このような事が起こるのは、採用に関わる社員のほとんどが男性であるといった場合が多い。

選考に関わる女性を増やすことで、事態を解消できる可能性があります。

 

 

配置・配転時

次にみるのが、配置・配転時

男女で、配置されている業務に偏りがないかチェック!

 

部門により偏りがあるのは、性別による役割分業観や職場慣行が原因であることが多い。

(あの仕事は、女性には無理だよね、、、)

(今までずっと、男性が担ってきた仕事だし、、、)

 

解消のためには、まずは、従業員の意識改革に取り組むべきです。

また、女性にも働きやすい職場とするための設備や環境の改善も必要となります。

 

 

昇進・昇格時

3つ目は、昇進・昇格時

管理職比率の男女差をチェック!

 

昇進・昇格の制度と運用の見直しが必要となります。

そもそも、役職(昇進・昇格)につながるような職種に女性が就いているかチェックする必要があります。

女性自身が、昇進・昇格を目指したくなるような動機付けや教育訓練を実施することも必要です。

 

また、育児などで一定期間仕事を休んでも、昇進・昇格にマイナスにならないような仕組みや、復職後にキャリアの遅れを取り戻せる仕組みを作ることも必要です。

 

当然、育児や介護に直面しても仕事を辞めないで済むような仕組みも必要です。

勤続年数と昇進・昇格とは、関連付けられることが多いので、女性がライフイベント等によって離職してしまうような仕組みであっては、昇進・昇格の男女差はなかなか解消されません。

 

 

管理職の意識改革も重要

管理職の意識改革も重要です。

まずは、管理職の性別役割分業観をぶち壊すことから始めましょう。

そして、男女関係なく、部下に仕事を配分したり、評価を行うことができる管理者へと変身させることが重要です。

そのような管理者のもとでは、女性が能力を十分に発揮できるのはもちろんのこと、セクハラやマタハラのない健全な職場へと変わっていくことにもなります。

ぜひ、管理者の意識改革にも取り組んでください。

 

 

女性が活躍できる職場を作ることは、簡単なことではありません。一朝一夕にできるものではありません。

今まで凝り固まった慣習や価値観を壊していくことは、多くの時間と労力を要します。

それでも、女性が活躍できる職場を目指していかなければ、これからの時代を生き抜いていくことは難しくなります。

御社の存続をかけた取り組みとして、ぜひ、女性活躍をすすめていってください。