ダイバーシティとインクルージョン

 

インクルージョンとは何? 

簡単にいうと、「職場内のすべての人が、会社の発展に参画・貢献する機会があり、それぞれが持つ特有の経験や能力・考え方が認められ、活用されること」をいいます。

別の表現としては、「存在を許され・認められ・歓迎されていると、働く人誰もが信じることができる職場の形」をいいます。

 

インクルージョンを実現すると、職場の中に差別がなく、働く人すべてが自分の能力を100%出し切れる状態となります。

 

お互いがお互いを認め合い、尊重し合うためには、差別意識をなくすことから取り組まなければなりません。

行政でも、差別を取り除くために、様々な努力をしてきました。

 

一番わかりやすいのが、職場での女性差別への取り組みでしょう。

男女雇用機会均等法などの整備もあり、法律上は、男女間に差別はなくなっています。

しかし、実際には、まだまだ暗黙の差別が存在します。

そして、男女差別の他にも、職場には様々な差別が存在しています。

 

障害者に対する差別、人種による差別、高齢者に対する差別、育児しながら働く人への差別、親の介護をしながら働く人への差別 等々。

 

育児や介護をしている人には、時短勤務や残業禁止を法律で定めました。

一定規模以上の企業には、障害者の雇用を義務付けました。

高齢者に対する一定年齢までの継続雇用も義務付けました。

国籍・信条・社会的身分による差別は、ずっと前から、労基法で禁止されています。

 

法律だけでみれば、職場における差別はほとんど存在しないはずです。

誰もが皆、自らの置かれている状況や立場に合わせた働き方が出来るようになりました。

…法的にはネ…

 

でも、現実はそうではないでしょ。

 

子育て中で時短勤務を行っている女性への、通常勤務の同僚からの風当たりは相当強いでしょ。

障害者には、ほとんど補助的な仕事しか与えていないでしょ。

いくら能力があっても、障害者というだけで、通常の社員より格下にみているでしょ。

 

「障害者はこんな働き方」

「子育て中の女性はこんな働き方」

「介護中の人はこんな働き方」

「高齢者はこんな働き方」 という枠にはめて制度を作り、運用していませんか?

 

そんなことでは、彼らは、持っている能力を十分に発揮できません。

彼らと通常の社員との間に、暗黙的な排斥や区別が出来てしまいます。

誰もが不満を抱えたまま、ギスギスした人間関係の中で業務を行っていたら、企業業績など向上するはずありません。

 

結局、インクルージョンがないと、せっかくの人材を活かすことができず、ただただ御社の負担が増すことになりかねません。

ですから、御社でもぜひ、インクルージョンに取り組んでいただきたいのです。

 

 

では、インクルージョンが実現した企業とはどいいったものなのか?

インクルージョンとは何?

「職場のすべての人が、会社の発展に貢献する機会があり、それぞれの人が持つ経験や能力・考え方が認められ、活用されること」をいいます。

「ダイバーシティ」をより発展させた新しい人材開発・労務管理のあり方として、最近注目され始めています。

 

おやっ?? また、聞き慣れない言葉が出てきました。

「ダイバーシティ!?」 それって、何でしょう?

 

ひと言でいってしまえば、「組織内の人材の多様性」ということ。

「異なる属性(性別・年齢・国籍など)や従来から企業内や日本社会において主流をなしてきたものと異なる発想や価値を認め、それを活かすことで、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、利益の拡大につなげようとする経営戦略のこと。

また、そのために、異なる属性、異なる発想や価値の活用を図る人事システムの構築に向けて、連続的かつ積極的に企業が取り組むこと」

 

 

要は、ダイバーシティとは、「組織内にいろいろな人材を取り入れて、多様性を活かして会社を発展させていきましょう」というもの。

 

組織内の多様性によって、次のような成果が考えられます。

●イノベーションの創出

●多様な市場ニーズへの対応

●従業員のモチベーション向上

 

ただ、ダイバーシティとは、異なる属性ごとにグループ化して、そのグループごとにある程度の枠にはめて働いてもらおうという発想があります。

たとえば、性別や年齢・国籍で分けたグループ、パートや非正規の方のグループ、子育て中の女性のグループなどに分け、多様なグループを組織内に生み出します。

 

そのグループ分けによって、グループ間での排斥や区別が表面化することがあります。

結局、彼らの能力を活かしきれず、人材流出ということも起きています。

ダイバーシティとは、人々の「違い」に注目したマネジメントともいえます。

 

(ダイバーシティを発展させた)インクルージョンでは、組織の中の多様な人々が「対等な関係」で関わり合い、社会や組織に参加する機会を提供することを目指します。

人はそれぞれ異なる存在であることを尊重し、あえてグループ分けなどせずに、「個々人が自分らしく」能力を最大限発揮して、組織の発展に貢献できる環境を整えることを目指します。

多様な人々が対等に関わり合いながらも、組織としては「一体化」している状態を目指すのです。

 

自分の存在そのものが全て受け入れられている職場となることで、その人が持つ能力を100%出し切ることができるのです。

 

そんな状態を生み出すには、インクルージョンが有効なのです。

「ダイバーシティ」って何?

簡単にいうと、「属性」によってグループ分けして、そのグループごとにマネジメント方法を変えながら、会社全体としての発展を目指すこと。

社内での多様性に注目していくマネジメント方法です。

 

※「属性」とは、以下のようなこと。

●性別の違い    「男性」と「女性」

●身体状況の違い  「健常者」と「身体障害者」

●人種・国籍・民族・宗教の違い

●世代の違い    「高齢者」と「若者」

 

 

では、「インクルージョン」とは何でしょう?

それぞれの事情を抱えた人たちの「その事情」を、それぞれの「特性」または「個性」と捉え、その「個性」に応じたマネジメントをしていくこと。

ダイバーシティでの「グループの囲い」を取っ払って、互いへの尊重と社内の一体化を目指すものです。

 

 

それでは、インクルージョンの実現した会社とはどのようなものでしょう?

すべての人々が多様な個性を持って、自分らしく働くことができます。

だからこそ、それぞれが自分の能力を100%活かすことができると感じ、実際に最大限の能力を発揮します。

 

御社の業績がupすることは当然ですが、他にも次のような効果が出ます。

●セクハラやマタハラが起こらなくなります。

●パワハラについては、相当程度減少します。

●仕事のストレスを原因としたメンタルヘルスの発症を減らします。

 

さらに、御社のビジョンに共感する多くの人達(従業員だけでなく、多くのステークホルダーの人々)が、コミュニティーの一員として貢献する機会を得ます。

そして、彼らステークホルダーの人々も、御社の発展のために最大限の力を発揮してくれるのです。

 

多くの人々が、異なる考え方や新しい考え方を持って交わることで、組織内は、イノベーション(革新)が起こりやすい環境となります。

また、お互いが対等に関わり合うことで、成長や変化、その変化を受け入れることが促されるのです。

 

 

次に、インクルージョンを実現するための注意点を挙げておきます。

 

●それぞれの人が「自分らしい形」で関わることのできる仕事を提供する必要があります。

 

●自分の仕事が、御社のビジョンへと繋がっていて、御社に貢献できていると感じられることが重要です。

 

●固定概念や過去の常識にとらわれることなく、その人らしい貢献の仕方を認めることが重要です。

固定化された働き方を押し付けてはいけません。

 

●無意識のうちに区別や差別、排斥が起こっていないかの確認や、それに気付くための機会を提供することも重要です。

 

そして、マネジメント実施に共通する最も重要なことは、「トップの理解」と「トップからのメッセージの発信」です。

これが、最も重要なことです。

御社でインクルージョンの実現を目指すのであれば、まず最初に行うことはこれです。

 

 

インクルージョンが実現した御社の姿を思い浮かべながら、熱い熱いメッセージを発信してください。


多様な人材に活躍してもらうことは、会社が成長・発展していく上で欠かせない条件です。

御社で働く誰もが、活き活きと活躍できる会社を作っていきましょう。

私がそのお手伝いをさせていただきます。