パワハラについて考えてみました


「私がされたコレッてパワハラじゃないの?」

「職場で見かけたアノ行為、パワハラでしょ?」

などと感じたこと、ありませんか?

 

 ここでは、

 どういった行為がパワハラになるのか、

 パワハラを受けたときには、どのように対処すればよいのかを考えていきます。

 

 

【パワハラの定義】

パワハラに法的な定義はありません。

(・・・ということは、パワハラ行為を直接、罰する法律がないということ。

ただし、パワハラの行為者は、傷害罪や脅迫罪、名誉毀損罪などで罰せられる場合があります。

また、会社は、「職場環境整備義務」「職場環境調整義務」を負うとされていますので、

それを怠れば、損害賠償の請求を受けます。

更に、労働契約法には、安全配慮義務が定められています。)

 

労働契約法第五条

 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、

 必要な配慮をするものとする。

 

一般的に言われているパワハラとは以下の通り。

  • 同じ職場で働く者に対して、職位上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告) 

 

  • 職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する行為を行い、就業者の働く環境を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること岡田康子「許すな!パワーハラスメント」

※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、更には部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含みます

 

 

【パワハラの類型】

  • 暴行、傷害
身体的な攻撃
  • 脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言
精神的な攻撃
  • 隔離、仲間外し、無視
人間関係からの引き離し
  • 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
過大な要求
  • 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えない
過小な要求
  • 私的なことに過度に立ち入る
 個の侵害

 

【パワハラチェック項目】

  1. 叱りながら、ものさしや書類で頭をっ小突く
  2. 物を投げつけたり、ゴミ箱を蹴りつける
  3. 肉体的な暴力をふるう
  4. ミスに対して、人前で強い口調で叱責する
  5. 人前で立たせて叱責する
  6. 「バカ」「のろま」「愚図」など屈辱的な言葉で叱責する
  7. 「お前なんか首だ」と脅かす
  8. 仕事の範疇を超えて、人格を否定したり傷つけたりする
  9. 同じ話題でネチネチと何度もなじる
  10. 挨拶をしても無視し、会話をしない
  11. 必要な情報、指示を与えない
  12. 部署全体の食事会や飲み会に誘わない
  13. 過剰なノルマや一人では無理な仕事量を与える
  14. いつも終業間際に過大な仕事を課す
  15. 突然、全く経験のない重要な業務を課す
  16. 緊急の仕事ではないのに、休日や夜間に連絡を入れる
  17. その人の能力や経験に見合わない、程度の低い業務を課す
  18. 通常業務に属さない雑用を強要する
  19. 仕事を全く与えない
  20. 必要以上に仕事を監視したり関与したりする
  21. 交際相手の有無を聞き、結婚を推奨する
  22. 個人の宗教について公表し批判する
  23. 法律に触れる行為を強要する


上記のような行為でも、業務の必要性から行われるものもあります。

ですから、上記のような行為がすべて、即、パワハラに該当するわけではありません。

(また、パワハラに該当する言動が、直ちに「違法な」パワハラとなるわけではありません。

「違法なパワハラ」と「懲戒処分の対象となるパワハラ」は、必ずしも一致はしません。)

特に、13~20に関しては、業務に関連して行われることが多く、判断の難しい行為です。

それでも、上記のような行為やそれに匹敵するような行為は、パワハラに該当する可能性が極めて高いものですので、早急に、対策を打つことが必要です。

パワハラは、その被害者に、身体的にも精神的にも、深い傷を与えます。放っておくと、肉体的あるいは精神的な病気を発病したり最悪の場合には自殺ということにもなりかねません。被害者の命や将来を守るために、一刻の猶予も許されません。

即刻、何らかの対処・対応に動いてください

すぐには現状が変わらないようなら、逃げ出すことも必要です。


被害にあった際の対処法は?


自分で出来ること


会社に、信頼できる相談窓口がある場合、まずは、そこに相談しましょう

 

出来ることなら、パワハラにあっている状況を録音しましょう。もちろん、コッソリで構いません。

 

録音ができない場合、された行為を、詳細にメモに残しましょう。

この場合、過去の行為をまとめて書くのではなく、された都度、少なくとも、その日のうちにメモして下さい。

(まとめて書いた場合、裁判で、証拠能力を疑われる場合があります)

 

もし、メールなどでのパワハラがあった場合

(例えば、死んでしまえ!とか、役立たず!消えろ!、給料泥棒!などの文言で叱責するようなメール)

必ず保存しておいてください。

 

会社側は、パワハラの事実を認めない場合が多くあります。会社側の言い分は、業務上の指導であるというもの。(であるから、パワハラに該当する行為はなかったというもの)

 

会社側と被害者側で、言い分が真っ向から対立することも多々あります。そこで、上記のような証拠が、解決のための重要な要素となります。

外部への相談


  • 社内に労働組合があれば、そこに加入・相談する。

 

  • 社内にない場合、ひとりでも加入できる社外の労働組合(ユニオン)に加入・相談する。

 

  • 労働基準監督署や労働局、労働相談情報センター等の行政機関に相談する。

 

  • 都道府県労働局をはじめ、弁護士会や社会保険労務士会でもあっせんなどの裁判外紛争解決手続(ADR)を行っています。利用を検討してみるのも、解決策の選択肢にして下さい。

 

  • 無料相談無料電話相談を行っている弁護士(会)や弁護団へ相談する。

 

  • 直接、弁護士へ相談する

 

会社は、労働組合との交渉(団体交渉)を拒むことはできず、誠実に交渉しなければなりません。(労働組合法)

従って、労働組合に加入して、団体交渉を行うことは、極めて有効な手段となります。

これは、社内の労働組合だけでなく、社外のユニオンでも有効です。会社は、たとえユニオンといえども、団体交渉を拒むことはできません。